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北海道大雪山系 花と蝶と鳥そして熊 ともしび会会長 大西 純一(定昭42年卒)

北海道大雪山系赤岳の直下ある駒草平をめざし、七月のはじめ層雲峡温泉より車で出発、大雪湖から銀泉台へと続く大雪観光道路を通り銀泉台へ、観光道路とは名ばかり地道で車がやっと対向できる狭くてカーブの多い悪路だ。銀泉台はすでに標高一五〇〇m近くあり北海道でも有数の紅葉の名所である。目指すは天然記念物に指定されている「ウスバキチョウ」という高山蝶をぜひ見たいと二年続けての挑戦で、昨年は強風で見ることが出来なかったので好天の今年は期待したい。「ウスバキチョウ」は大雪山塊の高山帯の砂礫地に咲く高山植物の女王といわれる「コマクサ」を食性とするまことににけしからん蝶だがその姿は薄い黄色に赤斑点が六つほどあり、胴から足まで細い羽毛に覆われ羽根を広げても五センチほどしかない、とても美しい蝶である。銀泉台の登山事務所で届けを出していざ出発。登り始めて約一時間で第一お花畑に到着、雪も大分解けて可憐な高山植物達がいっせいに花を咲かせ始めている。

エゾウサギギク、チングルマ、キパナシャクナゲ、アオノツカザクラ、等々大いに楽しませてくれる。次の第二お花畑は大きな雪渓の下になっている。慎重にトラバースして小さな湿地をぬけると台地状の礫地が広がる「駒草平」と呼ばれる目的地に到着。コマクサは一時盗掘によって激減したけれど、保護運動のかいあってかなり回復して広い範囲に高山植物の女王たるその美しい姿が見られるようになりました。コマクサはその赤い花が馬の顔のように見えることから名が付いたようです。カメラマンが数人囲んでいる所があるので、そっと近づくと憧れの「ウスパキチョウ」が岩にとまっている、やっと会えた、感激。しかし、あまりにも簡単に会うことができたので少し拍子抜け。バードウォッチングに行っても鳥を探さず人を探せというぐらいだから、探さずに見ることができてラッキーというべきか。今日は天候にも恵まれ風も弱くあちらこちらで飛びまわっている。お花畑の中は立ち入り禁止なので、カメラマン達は少しでも近くで撮ろうと登山道を蝶にあわせて右左・・・。「ウスバキチョウ」を堪能して赤岳には登らず下山開始、岩はイワヒ場でバリが美しい声を聞かせてくれ、ハイマツの群落地ではホシガラスが群れて騒がしい。なんと珍しいギンザンマシコまで赤い姿をあらわして大満足。無事に下山し下山届けを出して車に乗り込み帰路につく。少し行くと大きな雪渓が道路までつながっている所で黒いものが動く、ヒグマだ。わずか一〇〇mぐらいしかない、車を停めて見ていると突然、熊はこちらに向かつて猛然と走り出した。びっくりて女房は、はよ車出してと叫ぶ。今まで知床や日高の山で何回か熊に出会っているが距離も遠くたいていは熊が無視するか、上に登っていくもので今回のように向かって来たのは初めてでびっくりした。事なきを得て層雲狭温泉に戻りゆっくりと温泉につかり花と蝶と鳥そして熊を思い、北海道の旅を満喫しました。

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