2019年3月27日(水)~28日(木)にかけて東京大学のキャンパス見学に行ってきました。参加者は1年生21名、2年生14名の合計35名です。
1日目:3月27日(水)
7時に大和西大寺駅を出発し、京都駅から新幹線に乗りました。乗った新幹線はまさかの各駅停車「こだま」。「のぞみ」なら2時間程度で済むところが、4時間近くかかり、東京到着は12時前でした。長時間の新幹線の中ではトランプをして遊んだりする人もいましたが、多くの人が勉強をしていて驚きました。
東京駅から地下鉄に乗り換え、地下鉄の駅(本郷三丁目駅)から10分ほど歩くと、都会の中に突然森が出現し、やがて東京大学の赤門が見えてきました。赤門で東京大学に通う奈高OBの先輩方と待ち合わせをし、そこから会議室に移動して話を聞きました。
【参加生徒の感想】先輩方の話
- 東京大学について
- 勉強の環境が整っていること(キャンパス内にはシアタールームがあり、映画のDVDを無料で鑑賞できる。外国語の習得を目的としているそうで、本当にたくさんの映画があるそうです。)
- 先生や学生のレベルが高く、良い刺激を受けること(ある先生の書いた宇宙の本がきっかけで、宇宙に興味をもって東京大学に入学したら、その先生が東京大学におられ、その先生の講座を受講できた。TVにでているクイズ王と同じ教室で授業を受けたり、実際に起業を考えている同級生がいたりする。)
- 高校時代の勉強法について
- 英語を伸ばす工夫などいろいろなアドバイスをいただきました。多くの先輩方が、受験期を乗り越えるコツとして文化祭などの学校行事を楽しむことを挙げられていたのが印象的でした。
話を聞いた後に、OBの先輩に本郷キャンパスを案内してもらいました。
【参加生徒の感想】本郷キャンパス
- キャンパスは外国人が多く、聞こえる言葉が多様。
- レンガで統一されきれいな装飾が施された芸術的な施設の外観と、至る所に植えられている大きな木がマッチしていて人工物と自然の融合を感じさせる荘厳な雰囲気でした。ジムの設備や室内プール、広い体育館、人工芝のサッカーコートなど勉強面以外の設備も充実していました。
- 図書館は、歴史を感じさせる外観でありながら、内部は多くのコンピューターなど最新の設備が豊富で、しかも地下15階まであり、900万冊の蔵書があるときいて驚きました。
その後、夕食を食べ、電車でホテルまで移動しました。
2日目:3月28日(木)
次の日、ホテルを出発し、東京大学弥生キャンパス・中島ホールに移動しました。そのホールで、生物生産工学研究センター細胞機能工学部門の西山先生から講義を受けました。
【参加生徒の感想】講義「ものづくりに役立つ微生物の話」
- 奈良高校の物理講義室のような階段教室で、好きな席に座り講義を受けました。まるで大学の講義のような印象。
- 農芸化学という研究分野の講義でした。農芸化学は遺伝子組み換え技術や創薬など我々の生活に欠かせない学問という説明を受けました。例えば、抗生物質ペニシリンや調味料「味の素」の成分であるグルタミン酸ナトリウムの発見と製造についての話、環境問題を解決する技術のバイオプラスチックの話がありました。農学は農業に関するものと思っていたのですが、創薬・食品・環境など幅広く扱っている分野だと知りました。
- 講義の内容はかなり難しく、大学で行われる研究の一端に触れることができたのは自分への刺激にもなりました。
講義のあとは、研究室を見学するグループと、駒場キャンパスを見学するグループに分かれました。研究室の見学では、研究室を3つ案内されました。
【参加生徒の感想】細胞機能工学研究室
土の匂いのもとになる放射菌や、40℃以上の熱い場所でないと死んでしまう好熱菌の培養の様子を観察しました。また、質量分析装置、X線結晶解析装置など、とても高額な実験装置(1億円程度するそうです。)が数多く並べられていました。その装置で解析したタンパク質の3次元モデルも見せてもらいました。緑、黄、青などの液体が入ったビーカーが実験机に所狭しと置かれていて、まさに研究室という感じを強く感じました。
【参加生徒の感想】環境保全工学研究室
タバコの葉に、蛍光タンパク質を注入し、光らせる実験を見学しました。暗室に移動してタバコの葉にブラックライト(紫外線)を照らすと、光る様子を見ることができ、びっくりしました。同じように、光るイネやコケも見ることができました。この技術を使って、イネの病気を食い止める研究をしているそうです。
【参加生徒の感想】微生物機能代謝工学研究室
目に見えないタンパク質を検出する方法を3つ実習させてもらいました。タンパク質を可視化できて、とても驚きました。
- 0.04mLという微量なものを計るときに使うスポイトを使用させてもらいました。タンパク質の入った溶液に0.04mLの試薬を加えると、濁った色から青色に変化しました(ブラッドフォード法)。
- タンパク質の大きさの違いを利用して特定のタンパク質を分離する実験を見学しました(SDS-PAGE法)。
- GFPというタンパク質を、緑色に光らせる様子を見ました。
【参加生徒の感想】駒場キャンパス
東京大学の新入生の説明会の日であったので、キャンパスは人の出入りが多かったです。サークルや部活のポスターがたくさん貼っていて、さらに勧誘のチラシを配っている人もいて、とても活気があるように感じました。新しくきれいな近代的な建物とレトロな建物が混在しており、良い雰囲気でした。博物館も見学させてもらいました。OBの先輩に案内してもらい、じっくりお話をきくことができ充実したキャンパス見学ができました。
研究室見学と駒場キャンパス見学に分かれた私たちは、その後、東京駅で合流しました。そして行きと同様に「こだま」に乗り、帰りました。帰りの新幹線の中でも勉強している人がいっぱいいて、本当に驚きました。
【参加生徒の感想】全体を通して
- 実際に大学を見学し、話を聞くと学生・教授の質の高さ、環境・施設の充実度に驚きました。自分の進路がどうなるのかわかりませんが、今回の東大探訪で得た体験は今後の受験勉強のモチベーションになりました。
- 東大には、以前にオープンキャンパスで行ったことがありましたが、どこに何があるのかわからないし、見学者が多く移動するだけでも苦労しました。今回は、見学者も少なく、先輩方がキャンパスを案内してくださって、いろいろな説明をしてもらえたので、ゆっくりじっくり見学できとてもよかったです。
- 新幹線での移動時間はとても長かったですが、宿題をいっぱいできたので、それはそれでよかったです。
- 先輩方からは東京大学のことはもちろん、受験の心得から一人暮らしの詳細までいろいろな情報を教えていただき、進路選択の大きなヒントになりました。